Amazon 「書籍買切方式」採用。その影響力は? 古本屋も競合になるのか? part.2

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   Amazonの書籍買切方式が話題となってます。

「取次を介さない出版社直取り引き」、「Amazonで書籍印刷」も話題となりましたが、書籍買切りで返本をしないことと書籍の値引き販売はかなりのインパクトがあります。

 

 詳細は↓Amazon 「書籍買切方式」採用。その影響力は? 古本屋も競合になるのか?part1

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2019/02/03/084754

 

再販制度」のおさらい

   書籍/雑誌/新書/児童書/学参(参考書)/コミック/辞書は出版社が取り決めた一律価格で小売書店にて販売するという取り決め。

 本来ならば独占禁止法違反になるが…

●都市や地方での価格差が生じてはいけないこと。

●どこで購入しても一律でなくてはいけないこと。

●多様性を重んじ活字文化を守ること。

●売れ残った書籍は返本(返品)ができる仕組み。

●書籍の多様性。品揃えが豊富であること。

●偏った品揃えであってはならない。書籍選定に偏りがあってはいけないこと。

   Amazonの一連の発表を受けて、出版社/取次/書店を巻き込む「再販制度」へ一石を投じることになりました。一部出版社はAmazonの買い切りを快く受け入れているそうです。その理由は、お互いの「返本」のリスク軽減にあります。Amazonへ出荷すれば出版社にとっては現金化できるのです。しかも返品リスクがないということです。

  IT企業のAmazonの強みでもある蓄積されたビッグデータを活用し販売データを予測して在庫数を決定することができる強みがあるということです。

必要数を大量に注文すれば巨大な倉庫も必要になりますが、倉庫も確保しているのです。つまり、準備万端ということです。

 

Amazonの今後の動き

   取次を介さず出版社から直接買い切りになることから予測されるのは、仕入価格の見直しをAmazon側から出版社へ要求すると予測します。

Amazonは、返本が発生しないから取次に卸していた価格で仕入れたいと思うはずです。

理由は、最終的に売れ残った場合、値引きをし叩き売りをするのですが、仕入れの段階で経費を掛けなければ大きな損は防げるのです。

小売業は少しでも仕入金額を抑えたいと思うものです。

この動きは書店も注目しています。もし、Amazonに取次に卸す価格で取引するとなると書店は黙っていないでしょう。

Amazonと書店の間で販売価格差だけでなく利益の不平等も生じるからです。

販売価格に関しては協議するそうだが、価格が一律ではない米国では、書店大手は廃業に追い込まれています。米国では独立系の小規模な書店が残っているだけです。現在の日本の書店は、ある意味、国が守っているようなものです。今後、資本主義の中へ放り込むということになれば立ち回ることはできないと思います。倒産する書店が増えるのは想像つきます。

   Amazonの新刊本は送料が無料です。家に居ながら本屋と同じ価格帯で購入できていたのが、価格が安くなれば、これまで以上に書店から遠退くはずです。自治体によっては書店が無いところもあるのですから、運送業の利益にも影響を及ぼしかねない。

   さらに、中古本の市場にも影響が見受けられます。

Amazonで販売している中古本の価格は1円から表示されている古本が多数ありますが手数料含めると街場の古本屋とあまり変わらない価格になります。

その手数料で設けているのですが、手数料が安くなれば古本屋にとっても脅威となります。

 

今後の動きに注目です。

 

↓数字を使わなくても利益の仕組みはわかる。

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2019/02/09/110430