デス・ストランディング 考察12
ドイツのケルンで開催されているgamescomに先駆けて披露された、Kojima Productionsの新作『DEATH STRANDING』(デス・ストランディング)のプレゼン。新たなPVも紹介されました。以下3本のキャラクター紹介動画がYouTubeで公開中。今回は日本語吹き替え版が発表されてないのですが英語版を観て感じたニュアンスだけで考察します。
◉Ludens Fan(ルーデンス・ファン)編
gamescom「Opening Night Live」の主催者Geoff Keighley氏がルーデンス・ファンとしてゲーム内に登場。サムに与えられた目的に振れ、アメリカ東海岸から西海岸へと旅を続けていく中で、彼のような“プレッパーズ”と呼ばれる単独で暮らす人々に出会い、其処でカイラルネットワークに接続し、人を繋いでいくことを目的としています。主軸であるストーリーに沿ったサブクエストの要素を含んだPVということ。小島さん曰く…
サムが断崖絶壁をハシゴを使って登ると、見た目スペースシャトルのような住居に出くわす。住居というか関所のようなギミックですね。サムの荷物のダメージセンサーテープが赤く変色しているのも気になります。
中に入るとホログラム化された人が出てきます。この人がジェフさん扮するプレッパーズです。
ここで、疑問点。この世界のプレッパーズとは、意識(魂)をAIにインストールし肉体を持たないホログラム化された人達なのかもしれません。考察⑦にて分断を招いた思想に触発されオルト・ライトやトランプ大統領を生み、世界規模で混沌が渦巻くようになったと考察しました。彼らの思想の中で語られる個人主義(リバタリアニズム)を可視化したのがプレッパーズなのではないでしょうか。実際に、現実世界にはプレッパーズといわれる人達がいて映画もたくさん作られてますね。
様々な映像配信サービスでの配信は終了してますが、「プレッパーズ 滅亡に備える人々」というドキュメンタリーが有名です。自ら社会と距離を置いて銃を大量に買い込み世界滅亡に備え細々と生活している人々を描いています。関連映画では…
…これらは配信期間内であれば観れると思います。傑作揃いなので参考までに。
これまでも何度も出ているネームタグのようなサムのネックレスのギミックも描かれています。今回は名称も公開され、「Q-Pid」(キューピッド)人と人を繋ぐキューピットに掛けたニクいネーミングですね。センスがいい。
Q-Pidをプレッパーズの住居内の機械にかざすことでカイラル・ネットワークに接続します。ネットに接続すると重力が不安定になりサムが宙に少し浮き上がります。
サムは何か荷物を運んだようですが、薬剤や食料ではないようです。例えば…遺伝子? 何なのでしょうか? 気になります。
新たな謎として、サムがオシッコをします。オシッコをするとキノコが生える。このキノコにプレイヤー同士がオシッコを掛け合うことで何か良いことがあるそうです。しかも武器にもなる? サムが運んでいるものと関係があるのでしょうか? 謎が深まります。
また、崖から降りる際、足を踏み外し落下します。その衝撃にビックリしたBBが泣き叫びます。サムはBBをあやすのですが、プレイヤーである私達もコントローラーのモーションセンサーを利用しBBをあやします。しかもサムのパタパタが赤ちゃんをあやすメリーの役割まで担う。面白い仕掛けですね。オシッコ(PEE)機能といい小島ゲームの醍醐味てんこ盛りです。
この一連の流れがサブクエストでありメインのストーリーでもある「人と人を繋ぐ」「共同体と共同体とを繋ぐ」ということをあらわしているようです。
◉MAMA(ママー)編
マーガレット・クアリーさん扮するMAMAの紹介PV。この方も凄い方です。出演作をザッとあげると…
クエンティン・タランティーノ監督「ワンス・アポン・ア・タイム・ハリウッド」
「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナタウン」「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督の嫁のシャロン・テート殺害事件を題材にした作品。今一番観たい作品です。
「ナイスガイズ」ラッセル・クロウ&ライアン・ゴズリング共演アクションコメディーバディもの。
Netflix「ユピテルとイオ」地球滅亡を控え多くの人が他の星へ移住する中、地球再生の糸口を探す芯の強い女性を描いた牧歌的SF作品。
お母さんも有名な俳優です。アンディ・マクダウェルさんです。
「恋はデジャヴ」ビル・マーレイ主演。何度も繰り返す同じ時間軸から脱出をはかる男の血を滲むような努力が、笑いを誘うSFコメディの傑作。
「グリーンカード」移住権を巡って巻き起こるラブコメディーの傑作。
…ねっ。凄いでしょ。
サムがMAMAの部屋に入るとBTが出没する。赤ちゃんの手形が床から天井へ這い回ると赤ちゃんのBTが現れる。MAMAは、サムに対してその子は噛まないから大丈夫と促す。
小島さん曰く…
BTである子供と臍の緒で繋がっている母性ある女性キャラクターという設定。母親なんですね。
故にお乳が張ってしまう。紹介されている「デス・ストランディング」のキャラクターでは一番人間味溢れるキャラクターとして描かれています。お母さんを応援したくなりますね。ひとつ気がかりなのは、自身の子供であるBTに引きづり込まれないかということ。ストーリー終盤に、その様子が描かれるのではないかと心配になります。天井からぶら下がったメリーが何故かもの悲しく映る。
「恋はデジャヴ」のように同じ時間軸を繰り返すのか? 「ユピテルとイオ」のような取り残された人々を描くのか? 「グリーンカード」のように移民問題を扱うのか? 妄想が尽きない。 MAMAの配役も素晴らしいですね。
◉Bridge Baby(ブリッジ・ベイビー)編
当初から出ていたギレルモ・デル・トロ監督扮するデッドマンも登場します。小島さん曰く…
これまでの考察でも何度も取り上げた、「目視できないBTは、サムとBBが繋がることでBTを可視化できる」ということが明らかになりました。
また、BBとは…脳死状態の母親と繋がっておりBBが入っているポッドは“スティルマザー”と呼ばれる母親の子宮を模していること。
その両者の状態をシンクロさせるアップデートが定期的に必要なこと。過去に一年以上動作したBBはいないこと……など、デッドマンからBBの機能が明かされます。
BBの存在とサムとBBを繋いでいる仕組みの説明。この世界はBBに頼ざらるえない切羽詰まった状況も伺えるPVです。
では、脳死状態の母親は何処にいるのか? 実は脳死状態の母親はいない? 母親の意識は亡くなる前にAIにインストールされており騙しているのでは?二重思考? BBとは、ジョージ・オーウェル 「1984年」ビッグブラザー(Big brother :独裁者)のアナグラムなんじゃないかとも思えます。これも考察が尽きない。
ここで新たな謎として…ヒッグスが抱えるBBは何か? これまでの考察であればサムの銅鏡ということであれば納得できます。しかし、ヒッグスが別人であるならばBBは何体もいることになります。謎だらけですね。
PVに描かれているデッドマンはホログラムのような雰囲気も醸し出しています。別の場所にいてホログラムで登場するのでしょうか? 別の場所とは、「別次元からという設定」もありうる。または、意識をAIにインストールした肉体を持たない人なのかもしれません。「マトリックス」みたいですね。
謎がさらに深まる…
東京ゲームショー
最後に小島さんからゲームの具体的な内容を含んだ映像を当日来られた方だけに公開しているようですね。この映像は東京ゲームショーで明らかになると思います(先立って公開するかもしれませんが…)
ダイハードマンの紹介PVも観たいですし、これから情報公開されるであろう他の重要なキャラクターも楽しみです。