日販とトーハン。本屋の存在意義。Part.2

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   本屋が潰れる本当の理由とは…

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↓「日販とトーハン。本屋の存在意義。part.1」

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2018/11/29/184638

 

   一般的な解釈としては「雑誌が売れなくなった為」と言われています。これは事実です。雑誌を購入していた年齢層が買わなくなったというのが原因です。

昭和40年〜昭和55年生まれの団塊世代ベビー層が購入しなくなったというのも原因。このキン消し(キン肉マン消しゴム)世代の年代が一番多いにもかかわらず雑誌から離れてしまった。

 

では、売上が下がった原因が単に購買客数が減ったからと言い切れるのでしょうか?

その客層に合わせた商品を開発していなかったということも考えられます。

週刊少年漫画を見なくなったのならば、購買層の予測を引き上げて青年漫画大人漫画の映画やテレビドラマ化で促すが、その興味は長続きせず雑誌自体も衰退していった。キン消し世代に頼り切り目先の利益にこだわった結果ということです。

団塊世代ベビーは今、何を読んでいるのでしょうか?

雑誌は読まずネットニュースを見ています。子供がいるなら家族で楽しめるテレビやネット配信番組を見ています。子供が大きくなれば各々の興味あることをネットで拾い読みしているのです。親が買わないから子も欲しがらない。

そもそも出版社は雑誌に依存していたのです。雑誌に変わる穴埋めができていなかったということです。

 

店舗は売上下がった穴埋めを文具やカフェで補っている。カフェが不調であれば赤字をさらに抱えることになる。店舗にとっては悪循環です。

出版社は店舗に対し、客単価を上げる施策としてコメントやポップをつけるように促します。書籍の強化や図書カードの販売強化も促します。要は丸投げなのです。店舗が求めているのはそういうことではないのです。店舗は利益を求めているのです。

出版社と店舗の温度差がここにあります。

 

  書籍はネット購買が多く店舗の書籍売上比率も年々下がっています。単価の高い書籍売上比率は10%〜30%です。売上の底上げを狙い、書籍の強化やアイテムを増やすことは客単価アップに結びつくと、いまだに信じているのです。これもその場しのぎです。

   日本の書店はアイテムと在庫を増やす施策に頼り切っています。ひと昔前の幻想にしがみついているようにも思えます。

海外の本屋は雑誌や文具を取り扱っていません。雑誌は露店やコンビニに置いてあり本屋には書籍のみの店舗が多い。海外の大型チェーン店はネットに押され潰れてますが、あえてアイテムを書籍に特化した小規模の店舗として残ってます。売上/在庫/利益/物流/客層を分析しているということです。

 

繰り返しますが…

日本の本屋は客単価を上げようとアイテムを増やし続けています。つまり、在庫をたくさん抱え続けているのです。これでは坪効率も生産性も悪い。商品の在庫回転率が悪ければ不良在庫として残り利益が出ない店舗となってしまいます。

 

 売上=客数(伝票枚数)×客単価

売上を上げる為に客数を増やす施策をするのは理解できますが、客単価を上げる為に効率悪いことをしているのが、そもそもダメなのです。アイテムや在庫を増やすなということです。

 

在庫を増やす効率悪い原因と書店の生産性とは…

①アイテムが多すぎる(在庫過多)。

②本は発注がアナログなFAX発注。

③自動発注商品の入荷が多い。

④発注システムは取次(日販/トーハン)によって使い分けなければいけない。

⑤出版社によっては、スリップ発注(本に挟まれている札)になる。

⑥出版社に電話して注文する場合もある。

⑦お客様の取り寄せ要望(客注文)の場合、送料が別途掛かる。大型店舗は取次から毎日発送されるので客注文分を通常送る分に紛れ込ませることができるが、小規模店舗や個人経営店は取次から店舗へ送るダンボールが一杯にならない限り送れない。取り急ぐ場合は送料は別料金掛かってしまう。客が急ぎで取り寄せ希望であれば儲けはありません。客注文分がキャンセルになると不良在庫となる。もしくは返本。

⑧自動発注で入荷した大量の商品の置き場所がない。棚のストッカーにも入らずバックヤードで積まれている状態。売れずに返本。

⑨返本作業。週刊/月刊/隔週で定められたアイテムを売場から抜き取り、ストック分も含め箱詰めする。適正な返本率は35%〜38%。

⑩入荷分の事前チェックをし売場を空けておく。これを怠ると入荷しても売場に即出せない。

      ……ざっと挙げてもこれだけ負担があるのです。営業中は万引きにも注意しながらレジ打ちや客対応と日々追われているのです。出版社は店舗への負担を考慮した方が良いです。残業して発注したり返本したりしているのです。アイテム増やして品揃え強化という名目の出版社のエゴでしかありません。売上下がっているから発注を減らすのではなくスタッフを削減しているのにもかかわらず作業だけが増えてから効率が悪い。

発注や返本は何十年も変わらず古い作業のままなのです。いまどきFAX発注やスリップ発注はありえません。取次の発注システムを一本化するか、せめてメールで対応した方が良いですね。

そもそも取次が必要なのかも疑問です。書店への配送を委託された企業であってほしい。

書店から出版社に直接注文できる発注システムだけあればいいのではないでしょうか。

 

書店が求めているもの

   海外の店舗の利益率は50%です。日本の店舗の利益率は10%〜25%です。これに雑給費(アルバイト給料)、家賃、光熱費、減価償却費、社員給与、雑費、ロス(万引き、廃棄)を差し引くと、海外の利益率は20%〜30%。日本の利益率は10%台。もしくは赤字なのです。儲かるのは出版社と取次だけなのです。利益の還元ができない業態ということです。

   書店の生産性の悪さは出版社と取次の仕組みに振り回されているのです。

目先の利益を追うだけで仕組みを誰も変えようとしない。あえて複雑な関係のままで誤魔化し書店に我慢させている状態なのです。

返本率が上がれば入荷冊数を減らされることもあります。書店が何も言えない仕組みなのです。

本屋が潰れる原因は、出版不況や少子化という理由を後付けしているだけです。

実際は、出版社と取次の古い日本病の関係性と書店が適正な利益が得られない状態が長期化しているのを放置しているのが原因なのです。

弱い者イジメと同じ構図です。

出版社は書店を大事にするべきです。自分の首を絞めていることを認識したほうがいい。古い仕組みを変えないと未来はありません。

↓「日販とトーハン。本屋の存在意義。part.3」

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2019/01/06/005155

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