デス・ストランディング 考察19 クリア後の感想

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 ヒッグスについての補足です。ヒッグスとはズバリ、「ネトウヨなるゴミクズ」のメタファーです。今や世界共通言語にもなっている「ひきこもり」を小島さんなりに表現しています。海外の映画で失業者やひきこもりを表現する際に、パーカーを着て街を彷徨い、ひとり寂しく部屋に籠もってピザ食べるシーンが描かれています。ひきこもりを感じ取れるか否かはプレイヤー次第です。表面的なことをなぞるだけでは「ひきこもり」を描くことにはならないと思うのです。ヒッグスに関しては、「ひきこもりの原因」を深く掘り下げるべきだったと思います。今回の考察は、そこを掘り下げたいと思います。

 

 ハッキリ申し上げてヒッグスとは何かが表現されていません。その何かをヒッグスの手記で明らかになるのですが、単なるキャラクター設定の説明で、ひきこもりの原因を掘り下げることにはなっていないということです。単に、「アメリに、そそのかされた可哀想な人」という印象だけが残る。ポピュリストのアメリにそそのかされた原因や、ひきこもりからの脱却をサムやフラジャイルに託す試みもない。サムとの殴り合いやフラジャイルがトドメを刺すくだりは、中二病の青臭さが増すだけです。次回作の前振り(伏線)な印象なのも強引です。

 ネトウヨを生み出した要因のひとつとして考えられるのは、移民問題で失業した妬みや怨みといったアメリカの分断をまねいた空気感です。さらに、その空気感を利用してトランプ大統領を生み出した負の空気感を体現しているのですから、その原因を解決していかなければ分断を描くことにはならない。フラジャイルが「ヒッグスも昔は良い人だった」という説明だけで終始し、それをヒッグスの手記で確認するという作業になっています。全く救いがないのです。ヒッグスを弱者として丁寧に描いていれば弱者として感情移入できます。ヒッグスのジョーカーとしての役回りは最高のものになったと思います。フラジャイルやサムの顔を舐めるくだりもいらない。ジョーカーとしての表面的な狂気やジョークをなぞっているだけです。ヒッグスの弱者としての側面を表現して成功したと思うのがホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」ではないでしょうか。丁寧に描いていますよね。それ以前にもロバート・デニーロ主演「キング・オブ・コメディ」「タクシードライバー」があります。小島さんが伝えたかったことはわかるのですが、ヒッグスを突き放すべきではなかったと思います。ヒッグスそのものがアメリカの分断をまねいた主題なのです。つまり、一番、丁寧に描くべきところを疎かにしてしまった感があるということです。考察18で述べたように「アメリカの分断を描いていない」とはこういうところにもあらわれています。

 プレッパーズのようなスタンスの人達を描いたところで、このデスストランディングの世界観では、それが正義のような側面もあるのですから、リバタリアン的な解釈を前面に出すのはネトウヨの成れの果てを描いただけで説得力に欠けます。ヒッグスもプレッパーズも元を辿ればひとりの人間です。そこに至るまでの人間味が描かれていないのです。

ラストの場面でサムとルーが虹を見ます🌈。逆さ虹ではなく、虹が橋のようにかかっている映像を見せます。この世界の人は橋がかかっているような虹を見たことがないと思うのですが、私達の世界と繋がっていることを表現しているとも捉えられ清々しい印象を与えます。最後に救われたことを表現しているのでしょうが、キャラクターを丁寧に描かれていないので虹がかかろうがルーが独り立ちしようが共感できないのです。

それはなぜかというと、プレッパーズやブリッジズのメンバーが外に出て外気を吸い喜び合うカットがないのです。分断から解放され壁を越えて出てくるカットがないのです。小島さん1人が救われているからです。救うべきは、アメリカの分断の要因でもあるネトウヨなるゴミクズであり、明日そうなるかもしれない人達。つまり、ゲームプレイヤーだということです。ルーとサムが救われたことでそれを表現していることは掴めるのですが、テーマの主題であるヒッグスも救わなければ誰一人として幸せにはなれないと思います。この現実的な虹は誰も救われなかったという絶望でしかありません。終わりの始まり。続編へ続くという含みなのでしょうか? 

 

 今回は、ヒッグスを掘り下げましたが、単なる中二病の慢性化という捉え方をされている方も多いはず。小島さんが伝えたかったことは、「ネトウヨなるゴミクズとは、何かのタイミングで誰しもが成り果ててしまうかもしれない善良な市民である」ということが上記で理解して頂けたかと思うのですが、小島さんが問題提起したかったということだけは掴めます。しかし、ヒッグスのキャラクターの掘り下げがないので伝わらない。それが主題の含みであり印象付けで終わっていることが残念。それがないということは単なる丸投げと変わりません。世界観が複雑なのですから主題はわかりやすくしたほうがいい。丸投げでは理解してくれないと思いますよ。

 

なお、考察⑦  にてヒッグスに触れてますので、そちらも参照ください。

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2019/06/19/184500

 

 

デス・ストランディング 考察18 クリア後の感想

ネタバレあり。ゲームクリア後にお読みください。

デス・ストランディングとは何か?

 「小島秀夫さんの私小説」小島さんのパーソナルな部分、つまり内面を綴った作品ということです。ゲームのテーマはアメリカの分断を再び繋ぐこと」

真のテーマとしては「自己再生」です。この自己再生に共感できるか否かが評価の分かれ目。アメリカの分断というテーマから自己再生へテーマが切り替わります。

作品の謎の部分であり、ゲームプレイヤーを繋ぎ止める作品のキーワード、つまりは、プレイヤーと作品との接点を結び目と例えるならば、ビーチデス・ストランディングラストスタンディングとは、「心ここに在らず」といった小島さん個人の孤独な心情を覗き見る場所を指します。

 

キャラクターと物語性

 アメリ、クリフ、サム、フラジャイル、ヒッグスは小島さん自身を投影したキャラクターです。台詞は小島さん自身が普段思っていることを言葉にします。つまり、小島さんの内面を形にしたキャラクターということです。台詞ひとつひとつは割愛しますが、御自身で確認していただければ理解出来るかと思います。

 

 ブリジット、ダイハードマンは創作者(制作者)としての小島さん個人の表向きの顔を投影したキャラクターです。仕事をする過程で目標設定をし、それに至るまでのスケジュール管理、取りまとめたものを部下に落とし込む。ときには厳しい決断をしなければいけない場合もある。劇中でもキャラクターは厳しい決断を強いられる。ブリジットとダイハードマンが仮面を被っている理由は、誰しもが社会に出れば自分を押し殺して別人を演じているさまを形にしたもの。

この仮面と同じようにサムやヒッグスの黄金仮面はプレイヤーへの問いかけ。ヒッグス曰く「お前も仮面を被っているんだろ」

 ダイハードマンの本名はジョン〇〇。栄養ドリンク飲んでハードスケジュールをバリバリこなして仕事している小島さん自身です。小島さんのTwitterを見ていていつも感じるのですが「栄養ドリンクばっか飲んでないで飯を食べてね」「サンドイッチばっか食べてないで米を食べてね」ってお母ちゃんのように思ってしまいます。私達も「しんどい」「辛い」「忙しい」と思いながら仕事をしています。大人であれば、そういった気持ちや感情は隠します。その表れが仮面として表現しきれていないのが残念。

 ブリジットとアメリにいたっては小島さん自身の二面性を表しています。

表現者/創作者/制作者/経営者としてのブリジット。

小島さん自身のパーソナルな部分のアメリ。これは本人しかわからないもの。

ダイハードマンがサムに落とし込む「アメリ奪還」とは、小島さん自身のパーソナルな部分(孤独感)。つまり、誰も理解してくれない苛立ちの表れであり、「救い」なんです。

それが顕著表れているのがキャラクターとの関係性。小島さんが心を開けるデッドマンとハートマン。そしてプレッパーズのみという小島さんの人間関係が、そのままゲームに落とし込まれています。

アメリとは「この孤独感から救って欲しい」と願っているさま。「この苦しみは誰も理解できないだろう」という誰しもが経験するパーソナルな部分。つまり、最大のミッションは小島さんを救うということ。

 

 ストーリーは、東海岸からロッキー山脈までの道のりの過程で「アメリカの分断を再び繋ぐ」ことをテーマとして描きます。カイラル通信を繋ぐことが描かれているのですが、アメリカの分断の諸問題が一切出てこないのです。ロッキー山脈を越えると「アメリ奪還」が、より色濃くフューチャーされていきます。

サム曰く「アメリカを再び繋ぐなんかどうでもいい。アメリを救う」とメンバーに宣言します。アメリカを描くことではなく小島さん個人を描くことにテーマが切り替わります。

アメリカが抱えた「分断」問題が置き去りになります。分断を再び繋ぐとは、サムがカイラル通信を繋ぐことで完結しており、分断をまねいた諸問題の問題提起や回収のことではなくなっているのです。カイラル通信は繋いだものの「分断」のテーマを回収していないのです。カイラル通信で人を繋ぎ「いいね👍」を貰う。SNSの要素の良い部分だけで終始している。「分断」をまねいた「移民問題」「誹謗中傷」「ポピュリズム」「性差別」「格差」「宗教」「宗教がらみの中絶撤廃」と様々な問題点は一切描かれません。

「分断」という言葉の重みよりも「個人の想い」が優っていることがサムによって発せられるのです。その後の展開は、小島さんの脳内宇宙を描いた怒濤の展開となります。

 

 デッドマン、ハートマンも小島さんと同じ創作者(制作者)。デッドマンの体は70%が別の人体でできている。小島さん曰く「僕の体の70%は映画でできている」と被ります。ハートマンも特殊な体質。2人の共通点は映画監督であり制作者でありアーティスト。彼らが不完全な体であることは、物作りで身も心もボロボロになりながら魂削って制作しているということの表れです。小島さん自身も物作りの方なので2人との共通点を共有しているということです。ここでも自身を重ね合わせたキャラクターとして表現されています。この2人の設定は「驕り」(おごり)が垣間見えます。

 

 プレッパーズは、小島さんの物作りの孤独感を理解してくれる方々です。映画監督やアーティストや漫画家、タレントや編集者。小島さんの良き理解者ということです。つまり、愚痴を聞いてくれる人です。こういうパーソナルな部分は、あからさまにしないほうがプロだと思うのですが、あえて見せているのは何か意図があるのでしょうか? 自身を曝け出すのであれば身近な人を描いてこそだと思います。つまり、小島さんにとって最大の心許す人達、良き理解者とは、コジマプロダクションのスタッフだと思います。YESマンだけではないと思うので良くも悪くも自分の暴走を止めてくれる最大の理解者だと思います。…っであるならば、小島さんの気心知れた方を描くのではなくブリッジズのメンバーとの接点を描くべきです。「ブリッジズとコジマプロダクションのスタッフなんか関係ないやんけ」と言われれば、それまでですが、登場キャラクターが小島さんの私的な人間関係が反映していると感じるので、スタッフも描かなければ嘘になります。スターウォーズスタートレックギャラクティカは組織を描くことで物語に厚みが出ています。ゲームオブスローンズは人間を描いています。デスストランディング ではイゴールだけがブリッジズメンバーとして登場します。巨大な組織なのに、ただ1人しか描かれていません。共同体を描かずして組織は語れないと思いますし、組織を描かずして人間は語れないと思います。プレッパーズをリバタリアンとして突き離した存在で描きブリッジズのメンバーを描くべきだということです。これを怠ったことで物語性や人間としての厚みが失われています。

でも、スタッフが出たがらず、それをルーデンス人形に託したのかもしれません。プレイヤーも含めてなのでしょう。

 

 キャラクターで理解できないのがママーです。女性を描きたかったという意図は掴めるのですが、キャラクターの積み重ねができていないので感情移入できなかった。展開が早いので私がママーのキャラクター設定について行けていないのかもしれませんが、ママーという表層的な女性像にママーの双子の妹〇〇という小島さん個人の内面が表現されているキャラクターがひとつに重なるのでキャラクターの魅力が半減しているように思います。

ママーに関しては、誰かが理想とする女性像をなぞるだけ。ハッキリ申し上げて女性を描いていない。

当初、ママーは亡くなった子供と繋がっているという設定。劇中で亡くなった子供との最後の別れをデスストランディング という世界観で描くのであれば納得できるのです。ここまででいいのです。ストーリーを進めるとママーは亡くなっていてBBと繋がっていることでママーの魂が肉体を繋ぎ止めているということ。その後、ママーの魂が宿っていない抜け殻となった肉体をハートマンに運びます。ハートマンは死んだ肉体なのに体消滅しない理由を探りたいからママーの肉体を持ってこいとサムに依頼するのです。私がサムなら拒否するでしょう。無視して供養します。

子供を産む喜びや産めなかった悲しみを描くのでもなく、肉体を持たない母親を描くことで何を伝えたかったのかが理解できなくなります。

 ママーの魂と肉体はBTとなった子供によって繋がれていた。劇中では、女性や母親を個人として描いていないのです。単に、子供がいるから母親であり肉体を持ち、子供と繋がりを絶たれれば母親ですらなくなり、あとは死が待つという印象だけが残ります。その死んだ肉体を運ぶ理由が何なのかが明確ではないのです。体消滅の謎を解く鍵になるからと。だから何?ってなります。ママーの魂が肉体を離れ双子の姉妹がひとつになるのも母親や女性を軽々しい存在として誤解を与えかねない表現です。しかも、死んで魂のない体を運ぶだけの作業は、女性を子供を産む道具のような印象を与えかねない表現となっています。子供がいなくなれば母親ですらないのかと思ってしまいます。結果どうなろうと母親は母親であり自立した女性でもあるわけです。ここを描ききれていない。子供を産みたくても産めない女性もいます。結局、ママーとは子供を亡くした可哀想な女性で終わっています。ママーで何が言いたかったのかがわからないままなのです。女性に失礼ですし母親にも失礼です。ここは大きなマイナス点です。

 

キャラクターに関しては全体的に深みがないのが残念。個人として客観的に描かれていません。人間を描ききれていないということです。

 

ストランドシステム

 SNS要素でもある「いいね👍」は嬉しいものではあるが、「いいね👍」貰うことが幸せかといえばそうではないと思います。否定的な行為も必要です。それと同時に悪行を受け入れてこそ善行の価値が理解できるのです。表層的で上っ面な世界観構築では友人にはなれない。そこを「いいね👍」で描くべきでした。単に知り合いが多いだけになっています。これは誰しもが理解していることです。今更言われなくてもわかっとるということです。故に、この議論は制作中に議論があったと思うのですが?(議論したのでしょうか?)「いいね👍」だけにしたことで失ったものは大きいと思いますよ。世界観やストーリーの深み、人間関係は今以上に上っ面な部分だけを残し、作られた優しさに喜んでいるだけの嘘の世界になってしまいます。

劇中でアメリが全て嘘だと言います。「いいね👍」も嘘であるべきなのです。

ただし、システムにチャット機能を搭載すると、誹謗中傷の嵐の中に放り出されてしまい地獄と化します。これを避けたかったという意図は掴めるのですがSNS機能のバランスは良くも悪くも調整してほしかったですね。この「いいね👍」機能だけではデメリットでしかない。飽きも早くなります。

 

専門用語と装備。武器。そしてBB。

 小島さんのゲームの魅力は操作性と世界観。それを構築しているものが独特の専門用語と装備と武器。人を殺めない工夫にも魅力を感じます。今回のデスストランディング も同様です。

ただし、専門用語を理解していないままクリアした者としては、振り返ろうと思わないのです。飽きるということです。過剰な説明と膨大な情報量が最大の敵になってしまっているのがマイナス点。ゲームを進めていくと各キャラクターの説明が鬱陶しくなってくるのです。本来、この世界観で鬱陶しくなるはずのBTよりも過剰な説明のほうが世界観を表層的な軽いものにしてしまっています。世界観は感じて味わうものです。突き離してもいいわけです。媚びる必要もまったくない。だからこそシンプルでなければいけません。いっそ複雑にするのであれば、キューブリックのように、とことん難しくしましょう。ただし本人しかわからない世界観では途中で萎えてしまいます。

 故に、喋らないBBに人間味を感じてしまいます。

 

 

メインミッションとサブクエス

 配達をメインにした理由は、何かを届けることで人の優しさに触れるということ。野心的なゲームと感じますがそれ以上の喜びはない。喜びを分かち合うことではなく、もはや按配ですらない。上っ面な世界が、今以上に広がるだけです。

悪行もさせなければ優しさなんかわからない。綺麗事で済ますのは簡単だが現実の社会がクソなんだから悪行をさせて改心させなきゃ意味がない。

 聖書でも物を盗んだり人を殺めることが書かれています。メインミッションで聖書や仏教を引用しつつ悪行や善行をさせて、後まわしにしがちな配達忘れてませんか。実は重要なんですよ。インフラもよろしくね。…くらいで留めてほしかったですね。ただ野心は感じます。

ゲームなのでゲームをプレイさせることが重要だとは思うのですが、配達ばかりではバランスが悪くなります。

 

総括

  デス・ストランディングとは何かと言われれば、「小島秀夫ゲーム」と答えます。メタルギアは「世界観を楽しむゲーム」と答えます。

 

「内省的な何か」がダメかというと全くそうは思いません。内に向かうのであれば、とことん掘り下げるべきです。自身のパーソナルな部分をゲームで前面に出すのであれば、革新的です。「デッドプール」のように自虐的にやれば楽しんでもらえたと思いますよ。アメリが歌う「ロンドン橋落ちた」や自虐は「嘘です」「冗談です」ジョーカーのようなものだと笑い飛ばしてくれたと思うのですが、もっと曝け出してもよかったのかなと思います。それを成し遂げたかったのが「P.T.」なのかと思うのです。デス・ストランディングではパーソナルな部分はサブ要素として触れる程度でよかったのではと思います。精神が内側に向かっていくことで、より複雑になるストーリーは万人受けしません。革新的かというとそうではなく、野心は感じるが内省的な何かという印象しか残りません。

 アメリカの分断は、閉じてしまった世界です。デスストランディング は、さらに内に閉じる世界。考え方が逆なんです。アメリカの分断が閉じていることなのですから、その壁を破壊し外へ開いて広げていかなければいけません。「いいね👍」だけでは解放されません。ここを勘違いされているように思います。

 

原一男「極私的エロス 恋歌1974」は監督個人を描いた傑作ですけども、ここまで曝け出すには勇気が入りますし、ここまでやれとは言いません。ただ、映画監督という職業は、ここまで曝け出すくらいじゃないと務まらないのかと教えてくれた素晴らしい作品だということは言っておきたい。

表現者である以前に、その題材に対しての責任を負う覚悟があり、その題材に人として真摯に向き合うことが重要」なんだということを教えてくれた作品です。原一男監督の作品は一貫して人と真摯に向き合っています。これは、考察①でも述べたケン・ローチ監督や是枝監督も同様です。

デス・ストランディングで「アメリカの分断」をしっかり描いてますか? 私は全く描かれていないと思います。アイデアは素晴らしいのに勿体無いですね。

社会問題を描くのであれば、日本の問題を描くべきです。自国の問題を描かずして海外の諸問題は語れません。全て繋がっているのです。これが本来の紐であり棒だと思います。評価が分かれる理由もここにあります。中途半端に社会問題を描くなら当事者に失礼です。テーマがなんであれ真摯に向き合うべきです。

 

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 小島さんの作品をプレイして感じるのは押井守監督との共通点です。それは「監督自身の内面」を描いているということです。それが顕著に現れているのが「イノセンス」です。映像の斬新さと個人の内面を描いている作品です。各キャラクターの台詞は全て押井守なんです。独り言のような自問自答。過剰な説明の台詞。わかる人にはわかるが、わからない人には全くわからないもの。駄作と言っているのではありません。小難しいということです。結局何が言いたいのかは本人しかわからないというジャンルなんです。つまり、「極私的、脳内宇宙」

 デス・ストランディングとは、非常にパーソナルな内容でサブテキスト的な運搬作業を遊びのカテゴリーに押し上げた素晴らしい作品には間違いない。言っておきますが高評価ですよ!!! 

デス・ストランディング 考察17

   ティーザーを今一度振り返って見てみるとBTの存在感が印象に残りますね。特に最初に公開されたティーザーでは、干潟のような場所(beach)から始まる。。。

映像は、黒い手形(BT)の目線で始まる。そのBTが干潟を這いずるように先へ進む。そこには裸のサムが横たわっている。横には臍の緒がついたままの赤ちゃんがいる。サムが赤ちゃんを抱き抱えると赤ちゃんは突然消える。サムの掌はタールのような物で汚れている。ここからの映像の目線がサムになると赤ちゃんの黒い手形だけがサムの太ももを伝い、目の前を這っていく。遠くを見つめるサム。その先の上空には何か(things)が浮いている。

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 考察①で、BTとはビジネスタイアップだと考察しました。タイアップする意図はヒッグス率いるBT部隊と「鬼ごっこ&達磨さんが転んだ」をする際にTAG付けをしてBTの煩悩を(魂)を回収。サムもBT部隊を率いてカイラルネットワークに接続された別の世界のサムへBT部隊を放つこと。つまり、BTと業務提携することを意味するとしました。

 さらに考察⑦では、鬱屈した感情を形にした者がBTとしました。私達誰しもが成り果ててしまうかもしれない感情が劣化した者がBTであるとしました。つまりは、二面性を持ち合わせているということです。

 正式名称はbeaches things座礁したものを指すそうです。しかしながら、先述したように事柄や名称には二面性があるものが多く見受けられると思うのです。ネット上のアバターとプレイヤー。デス・ストランディングのキャラクターの名前(暗号名のように簡略された名前)、サムとノーマン、サムとプレイヤー、サムとヒッグス。サムとBB(赤ちゃん)、BBとプレイヤー、ブリジット大統領とアメリ

上記のBTの二面性でもある業務提携や鬱屈した者も同様に、その他の事柄も二面性があるのではと予想します。

 

   beaches thingsとは、座礁によって「彼岸」という場所に至ることと解釈しているのではないでしょうか。彼岸とは、悟りに至るために越えていかなければならない迷いや煩悩(欲/悩み)を川に例え(三途川とは無関係)、その向こう岸に涅槃(悟り)があるとする考えです。つまり、これまでの考察にて繰り返し記述しているBTがデス・ストランディングの教義の場へ至ること。BTという感情が劣化し、その怒りの矛先を弱者や社会からはみ出たものへ向けるネトウヨなるゴミクズが座礁することで学ぶこと。

プレイヤー自身は、サムとは一心同体。ヒッグスとサムは対称体。合わせ鏡のようなもの。

サムのプライベートルームから三途の川へ行くことができる。その三途の川は上下左右の境界が無く、海の底のような、何処でもない場所。カイラルネットワークと繋がっている別次元。

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この三途の川で対称体であるヒッグス率いるBT部隊を他プレイヤーの世界に座礁させることができる。このシステムが上記と深く関わってくる。悪事を体験させるのです。悪事といっても座礁の設定をしておけば自動で座礁します。

また、他プレイヤーの応援やアイテムを渡すことも自動で行えます。

この三途の川システムがハデス発生装置とでも仮定しておきます。

様々なパターンのハデスを発生させたり、他プレイヤーが発生させたハデスに挑戦することができます。その中のひとつが、鬼ごっこ&達磨さんが転んだ。

 

それら教義の場が「遊び」です。ヒッグス率いるBTが座礁することは別のサムの世界(他プレイヤー)ではプレイヤー自身が座礁することでもあるのです。

悪事を受け入れて経験を積み寛容になれるかもしれませんね。他者の心遣いを按配することで人として成長することを学ぶ場がデスストランディング

 

小島監督ならびにスタッフの方々、まだ発売してませんが、良いゲームをありがとうございます。発売日が楽しみです。小島プロダクションの第二弾も楽しみにしてますよ。

 

デス・ストランディング 考察16

   今回は、アメリのおさらい。その前に、スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16歳)が世界中から注目を集めてます。彼女の行動はご存知だと思うので省きますが、すごい行動力なのでご存知ない方は、是非ググってみてください。

サマンサという名前にピンっときた方はグレタさんのような行動は、それ以前にアメリカでもあったことを思い出すでしょう。

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サマンサ

アメリ(AMELIE) 
     リンゼイ・ワグナー(Lindsay Wagner):井上 喜久子

   ブリジット大統領(リンゼイ・ワグナーさんが2役)亡き後、アメリが大統領に就任。

その名も、サマンサ・アメリカ・ストランド

なぜ、サマンサなのか?

 

サマンサという名前の由来、もしくは元ネタの予想としては…過去にもスウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリさんのような方がいました。

サマンサ・リード・スミス (Samantha Reed Smith)1972年6月29日 - 1985年8月25日没

米ソ冷戦下の緊張が高まるなかで、アメリカ史上最年少の親善大使として有名になった少女。1982年、ソビエト連邦共産党書記長に就任したばかりのKGB出身ユーリ・アンドロポフに手紙を親展。アンドロポフとは1956年のハンガリー動乱を鎮圧した功績を買われ数々の役職を歴任し書記長まで上り詰めたKGBのエリート。KGB出身というのも異例で、後々のKGB出身ウラジミール・プーチンから尊敬されている。

   そんなアンドロポフ本人からソ連への招待を含む民間人であるサマンサ個人宛に返信を受け、彼女はこれを受託しました。

   サマンサは、米ソ両国において親善大使として世界中のマスコミから注目を浴びることになります。平和活動を通じて世界中を飛び回り、当時の日本でも「史上最年少大使」として中曽根康弘首相に会いに来日しています。サマンサは自らの体験をもとに著書を執筆し、連続テレビシリーズ「ライム・ストリート」に出演しました。サマンサが13歳の時、バー・ハーバー航空1808便の墜落事故によって亡くなりました。葬儀には国の役人が大勢参列し民間人含め1,000人以上もの人が集まったようです。

ソ連の新聞はサマンサの墜落事故を陰謀説だと主張する。憶測と推測が飛び交うなか事故調査委員会は陰謀説を否定。あくまでパイロットの経験不足と計器の故障という偶然が重なった結果だと公表した。

 

   サマンサ➖アメリカ➖ストランド

 

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アメリカとソ連間だけでなく全世界の平和の象徴であるサマンサという人物のメタファーであり、アメリが分断されたアメリカを再び繋いでいくという願いを込めた名前であると予想します。

 

   アメリはエッジノットシティーで監禁されているとはいえ、アメリは最終的にAIだったなんてオチもありえますね。AIであるということは…

アメリアメリカ 、なのですから鬱屈した心の病に蝕まれたアメリカの現状が最大の敵となるのではないでしょうか。この病はアメリカだけはなく全世界蝕まれています。

つまり、鬱屈した心の病(コンピューターウィルス)をインストールされてしまったAIと戦うということです。

……あくまで素人の妄想です。

 

デス・ストランディング 考察15

FRAGILE

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フラジール(FRAGILE)フラジャイル
     レア・セドゥ(Léa Seydoux):水樹奈々

 

今回はフラジャイルのおさらい。考察⑤にてフラジャイルを取り上げているので参照ください。

↓デス・ストランディング考察⑤ 

https://gegegenobacabon.hatenablog.com/entry/2018/10/26/185557

 

考察⑤にてフラジャイルとは巨大な組織の歯車でありジャーナリストのような監視者だと述べました。

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   フラジール(フラジャイル)の過去に何があったのかを考察します。その前に…

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hulu「ハンドメイド・テイル」侍女(じじょ)の物語

原作:侍女の物語』カナダの作家マーガレット・アトウッドディストピア小説。 90年にフェイ・ダナウェイで映画化され音楽は坂本龍一が担当している。

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

 

 

内容:架空の国家ギレアデ共和国は、近未来のアメリカにキリスト教原理主義勢力によって誕生した宗教国家。有色人種、ユダヤ人を迫害。他の宗派も認めない。内戦状態で国民は制服の着用を義務づけられ監視され逆らえば即座に処刑、あるいは汚染地帯にある収容所送りが待ちうけている。生活環境汚染、原発事故、遺伝子実験などの影響で出生率が低下し、数少ない健康な女性は、ただ子供を産む為の道具として、支配者層である司令官たちに仕える「侍女」となるように決められている。

 

トランプ大統領が誕生した際に、ジョージ・オーウェル1984年』と同様に話題になりました。つまり、デス・ストランディング同様のディストピア感です。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

 

フラジールの背中には、大きく両手で何かを受け止めているようなマークが書かれています。下記はTシャツのデザインですが、死人(骸骨)が何か大事なものを受け止めています。この何かがキーワードになると思います。

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以下、考察という名の素人の妄想。

 

   フラジールの考察としては、上記の侍女のような虐げられた女性で、そこから脱出してきた逃亡者ではないかと予想してます。フラジールがどこから逃げているかというとエッジノットシティー(EDGE NOT CITY)。BBの脳死状態である母親がいる共同体。アメリーが囚われている場所。

この世の世界の人は、格差があり、富裕層はエッジノットシティーで悠々自適な生活をしている。環境が破壊されBTが出没する世界。人間の体も子供が産めなくなっている。富裕層は侍女と偽り性奴隷として子供を産ませている。クリフが開発した技術を奪い悪用する権力者がいる。フラジールは、その地獄のような生活から逃げてきたのではないでしょうか。

つまり、クリフも権力者に騙され殺された。クリフは彼岸を彷徨う異形の者となり復讐を企てようとしている。

   サムはダイハードマンとアメリーから囚われの身であるアメリー奪還とバラバラになっている共同体を繋いでいくことを依頼されるが一度は断ります。サムは脳死状態の母親の元へBBを届けることで両者の利害関係が一致しヘッジノットシティーへ向かうことになります。

サムは最終的に、その権力者と戦う。その権力者とは、存在しているのか否かわからない者。つまり、AIであり神。DECIMAそのものが悪ではなく悪用されたテクノロジーを怨んでいるということ。原子力エネルギーも悪用されて原爆を生んでしまいました。これはメタルギアと同じテーマ。

 フラジールがエッジノットシティーへの手引きをすることで、フラジール自身は破滅へ向かうことになる。

   フラジールとは割れ物。虐げられた者。巨大な組織の中に組み込まれた歯車。真実を告白する者。真実を伝える監視者。そしてサムの良き理解者であると予想します。

 

デス・ストランディングとは

   「共同体を繋ぐ」「人を繋ぐ」と同時に「プレイヤー間の助け合う繋がりを継続させること」を提供する教義の場です。

   つまり、ゲーム内のカイラルネットワークが繋がることでプレイヤー間の繋がりがより強力になっていく。ダイハードマン達が、そのシステムを促すことでブリッジズも巨大な組織になっていく。プレイヤーにおいてはレベルアップみたいなもので力がついていると思いきや、カイラルネットワークが強ければ強いほど嘘や欺瞞が蔓延していくわけですから難易度も難しくなっていく。これは現実のネット社会にありがちなことです。真実を見極める力と思いやりを学ぶ教義の場がデス・ストランディングということです。

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小島ゲームは、私のような素人の戯言を凌駕するストーリーになると思うので、あくまで素人の妄想とお考えください。

デス・ストランディング 考察14

サムの部屋

   サムの多機能プライベートルームに関して小島さんは下記のようにおっしゃってます。

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ノーマンとマッツのファンには堪らないですね。

 

マッツとBBの関係性

サムのプライベートルームから出てエレベーターに乗りBBに接続すると…

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サムはBBの記憶を共有することになります。

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その記憶の中にマッツが登場します。BBとの接続毎に様々なマッツが見れるということです。楽しみですね。

   BBはマッツが所有していたということ。マッツはBBの開発者でリサという女性と一緒に暮らしているらしい。

 

海外の考察ではサイレントヒルMGS3のソローとの関連性を指摘していますが、実際はどうだろうか?

小島さんが創造主である世界観を構築しているのであれば、その世界観の延長線上にあるのは確実である。しかしデス・ストランディングサイレントヒルとMGSと同じかといえば別物です。創作者が同じなのですから似ているのは当然です。ただし、ノーマンとギレルモ・デル・トロ監督と共同で製作するはずだった「P.T.」のアイデアは活用するのではと思います。ただし、そのアイデアが何かは言及しないでしょう。まぁ言わんわな。だからこそ「P.T.」の雰囲気を感じさせる作りになっているのは、ある種のファンサービスだと思います。

 

   マッツ扮するクリフをおさらい。

   ●クリフ(CLIFF)
     マッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen):山路和弘  

吹き替えも含めて渋いですよね。良いワインを嗜む。ワインがあるということは最初の爆発前の記憶をサムと共有したことになります。デルトロ監督扮するデッドマンがBBは脳死状態の母親と繋がっていると言ってます。その母親がリサでありBBはクリフの子供なのかという新たな疑問にぶち当たります。子供を死なせない為にBBポッドを開発したのかもしれません。

BBを鉄腕アトムに例えるとクリフ(マッツ)は天馬博士でデッドマン(デルトロ監督)は御茶ノ水博士ということなのでしょうか。産みの親と育ての親。

クリフ(マッツ)とは、BBの開発者で親?。脳死状態に陥った妊婦のリサを助ける為に自身が開発した技術を応用した。その技術を権力者は奪い、クリフは殺害された。クリフの魂と体は死んでおらず彼岸を彷徨っている。

別の視点で考察すると、サムがクリフと生活していたBBでサムが抱えるBBはサムの何番めかのクローンかもしれませんね。サムがBBポッドに繋がることで過去の記憶を呼び覚ますスイッチが入り、サムの断片的な記憶がBBへと上書きされているのではと勘ぐってしまいます。

どちらにせよ、クリフとの関係性が一歩前進したティーザーでした。

 

ノーマンとプレイヤーの関係性

   ノーマンはプレイヤーと一心同体。プライベートルームではゲーム内のノーマンはプレイヤーがいることを認識しているようです。ミラーワールドの一端ですね。つまり、サムとノーマンも一心同体ということです。プレイヤーは、このプライベートルームでは神の目となりノーマンに指示を出すことができます。ノーマンが洗面台やシャワーを指差し、プレイヤーの次の行動を促します。これって第四の壁を越えてますよね。

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考察①でも同様に第四の壁を越えると予想しました。

例えば…

ラストはDECIMAのマークを押せとノーマンに催促される。無視するとノーマンに殴られる。

ゲーム開始早々に殴られるようですね。サムが機嫌が悪くなると殴られるようです。面白い!

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サムの育成をしていく過程はギャルゲーのような観察です。アイテムを与えたりシャワーを浴びモンスターエナジーを飲む。サムの機嫌が良くなるのです。

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また、サムの老廃物で武器を作成できる。

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武器や装備のカスタマイズ

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考察①でも述べたクマムシの遺伝子を持った虫を食べる。フラジャイルから貰うそうです。

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サムがBBをあやします。その過程にサムが悪夢を見たりします。サムの疲労度により悪夢を見たり血尿が出たりする。スーパマンやマリオではないということがわかります。

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   先述したBBとサムの関係性でも触れたように、サムにはBBとのなんらかの関係性があるように思います。ゲームを進めていくと明らかになるでしょう。ただ、なんとなくわかってきました。

 

   デス・ストランディングの世界観で重要なのがBB。bridge Babyの謎の一端がクリフと関連することで他の登場人物も少しづつわかってきそうですね。

次回、フラジールをおさらいします。

 

 

デス・ストランディング 考察13

   まずは明かされた事柄から。。。

コラボレーション(collaboration)

Hulu「RIDE with ノーマン・リーダス」とのコラボバイクも登場します。良い単車ですね。

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番組では「ウォーキング デッド」「処刑人」で共演した俳優陣や友人達やノーマンさんの家族も登場します。単なるバイク旅行番組ではなくノーマンさんは自分をさらけ出しています。面白いですよ。

 

他にもコラボがあります。

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モンスターエナジー飲んだら元気になりますね。元気になるといえば。。。。

温泉ですね。効能としては回復やスキルの効果向上。どこかの温泉街はコラボすればいいのに。世界中からお客さん呼び込めますよ。

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   また、ハシゴやアイテムは他プレイヤーとも共有できることも面白く、いいね👍を送ることでポイントを稼ぐ楽しさもありますね。

しかしながら、いいね👍されることで果たして幸せになれるのか突き詰めて欲しいですね。

飯を食べに行った際、横の席の人が料理の写真や自撮りに夢中で、いつ食べるねんと思いきや少し食べ大量に残して帰って行きましたが、その人に言ってやりたい。「それ幸せか?」いいね👍欲しさにやってることは自分だけよければいいってことでしょ。裏でやってるこの行動を知ればいいね👍なんかしないよね。嘘ばっかだよ。

 

ゲームの設定に関して

   私はゲームが下手なのでゲーム設定は一番簡単なEASYに設定します。

デス・ストランディングではVERY EASYがあるということで一安心しました。

今までクリアしたことがあるゲームは「レッドデッドリデンプション」「フォールアウト3&4」「ドラゴンクエスト5」「鬼武者シリーズ」「グランドセフトオート5」ですが、比較的ゲームバランスの良いゲームを選びクリアしてます。

正直に言いますが「メタルギアソリッド」でクリアできたのは、2&3。4とピースウォーカーです。ファントムペインは序盤からチキンキャップを被り、なんとかクリア。ムズイねん。

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昨今の難易度高めのゲームの流れについていけない。息抜きであるゲームなのにストレスを溜め込むだけで息抜きできないゲームが多いですね。ゲーム下手な者の提案としては、ゲームの敷居が高くなっているのは難易度が高いということ。腰据えてやる据え置きゲームは、ゲームする時間がないからと言われていますが、ゲーム離れの要因になっているのでは「難易度」もと思ってしまいます。まぁ他にも要因はあるのですが、まず難易度高めの難しいのは避けますね。

ところがR指定の「グランドセフトオート5」はクリアできなくても「後でやる」機能で次のステージへ進むことができます。この機能は親切ですね。そういうことであるならば、他のゲームも真似するべきですよ。息抜きでやってるのに低難易度(自分にとっては難しい)であったとしてもストレスを感じ、萎えて諦めて、動画配信のゲーム実況を見て満足しているのが現状です。

私と同じような方は多いと思います。

デス・ストランディングのVERY EASYがどの程度なのか? それでもできなくて途中で離脱し実況動画に走るのか。結果、「後でやる」機能でもいいのではと思ってしまうのです。

   下記の説明にあるように、デス・ストランディングは、自分の力量を見極めながら進めていけそうなので萎えることもなさそうですね。のんびりやってみようと思います。

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ゲーム実況動画

   サムが歩く場面は早送りか、端折られそうですね。実況動画ではゲームの面白さは伝わらないかもしれません。そこが心配。単なる攻略の説明だけになりそうです。ゲームにとってゲーム実況動画とは友達の家で友達が実際にゲームをやっているのを横で見ている感覚です。ゲームの作り手の方も口で説明するより実際にやってくれているほうが宣伝効果もありメリットでしかない。デス・ストランディング四国八十八箇所のお遍路巡りのような歩く様を実体験してもらうゲームなので、重要なポイントである歩く映像を端折られるとデメリットでしかない。そこが心配。

 

縄と棒

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   縄のゲームといえば、真っ先に思い浮かべるのはカウボーイの輪投げです。予想通りですね。縄を投げて足止めさせる一面もあるゲーム。ボーラガンを使用します。どこかの原住民が、その昔、狩りで使用していたボーラをデス・ストランディングではボーラの機能を持たせた銃として登場させます。アメリカらしい発想です。レッドデッドリデンプションで投げ縄を用いて野生馬を捕まえましたね。こういう経験もゲームじゃなきゃできませんよね。

良質のゲームは無益な殺生はしないということも重要なポイントです。昨今のファーストパーソン・シューター(英:First Person shooter、略称FPS)やサードパーソン・シューティングゲーム(英:Third Person shooter, 略称TPS)が多いなかでも、それら要素は継承しつつ、お腹いっぱい感もあるゲーム業界に一石を投じるゲーム性ですね。この視点が面白い。

   縄と棒のことはこれだけではないと思います。人を引き寄せて回収もするのでは思います。繋がったエリアに回収した人を配置させるということです。

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共同体が大きくなれば心強いですからね。人との繋がりを結び目や縄に例えているということです。分断された地域を繋ぎ、それら共同体を繁栄させ社会を形成させることが重要だと思います。その過程も描くのではと予想してます。

 

BTとの対決。サムの体液。

   BTとの対決も公開されました。

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サムの体液から作成する手榴弾を投げてダメージを与える。サムの体液から作成する強力な弾もあると思います。今後、罠も出てきそうですし興奮しますね。

小島さん曰く、「サムの血尿から作成された武器はより強力になる」とおっしゃてますので今後様々な仕様が出てきそうですね。

さらに浮き沈みする地形で高低差が生じます。変わりゆく地形も利用し討伐していく快感を早く味わいたい。

 

考察①〜考察12でもサムの特殊な躰が、少しづつ解りかけてきました。

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サムのオシッコやウンチ、シャワーをした際に出る老廃物も武器になるそうです。躰についた垢というより、黒い手形を洗い流すことも武器の要素となるそうです。これらはサムの多機能プライベートルームで行えるそうです。面白いですね。

素晴らしいゲームですね。考察が尽きない。

   

次回、サムの多機能プライベートルーム諸々を考察したいと思います。